前回は卓上旋盤と天井型旋盤・普通自動旋盤のご紹介を致しました。
今回は超硬合金の種類をご紹介いたします。
超硬合金は、非常に硬くて丈夫な材料であり、工業や製造業で広く使用されています。この素材の起源はドイツが発祥し、その後日本に輸入され、多くの用途で使用されるようになりました。
超硬合金は、非常に高い硬度と耐磨耗性を持つことで知られています。1929年代に国産の超硬合金が誕生し、その利点を認識して広く使用されるようになったのは、1940年頃からでした。
超硬合金には主に3つの種類が使用されていました。:P種、M種、およびK種。それぞれが特定のワーク材、つまり加工材に対して最適化されています。
P種の超硬合金は鋼の加工に最適です。これらは非常に硬く、摩擦や熱に対する耐性があり、鋼のような硬い金属を効率よく加工できます。
M種の超硬合金はステンレス鋼の加工に適しています。ステンレス鋼は高温になりやすく、一般的な工具では加工が難しいため、M種の超硬合金が適しています。
K種の超硬合金は鋳鉄の加工に適しています。鋳鉄は非常に硬く、もろいため、高い硬度と耐摩耗性を持つK種の超硬合金が適しています。
1960年代には、サーメット(CMT)という新たな素材が市場に登場しました。これは超硬合金と同様に非常に高い硬度を持つ材料で、さまざまな工業用途で使用されるようになりました。この新たな素材の出現は、超硬合金の使用をさらに広げ、多くの人々にその利点を知らしめるきっかけとなりました。
これらの超硬合金はそれぞれ、特定の材料の加工に最適な形状と性質を持っています。これにより、製造業者は特定のタスクに最適な工具を選択でき、生産効率と品質を向上させることができます。
次回はサーメットのご紹介をいたします。