前回はP・M・K種の超硬のご紹介しました。
今回はサーメットをご紹介をいたします。
サーメットは、超硬合金とは異なり、炭化チタン(TiC)やタンタル(Ta)を主成分とする素材です。それにより、サーメットは以下のような特徴を持っています。
硬度が高い：サーメットは非常に硬いため、鉄の面制度の向上や、一般的に加工が難しい材料の加工も可能です。その硬さのために、摩耗も少なく、使用寿命が長いというメリットがあります。
耐溶着性が高い：サーメットの材料としての炭化チタンやタンタルは、鉄との親和性が低い。そのため、鉄や鋼を加工する際、素材が工具に溶着しにくいという特性があります。これにより、高速での切削も可能となっています。
耐摩耗性が高い：サーメットは、摩耗に非常に強いため、長時間の使用でも刃の表面が滑らかであり続けるため、仕上がりの面粗さも良好です。
衝撃に弱い：しかし、全てが良いわけではありません。サーメットは衝撃に対して弱く、強い力がかかると刃先が欠けてしまうことがあります。そのため、大きな切り込みをする際や、突然の機械的な衝撃がある場合は注意が必要です。この問題への対策として、切り込み量を少なくしたり、仕上げ専用として使用することが考えられます。
熱伝導率と熱容量が低い：サーメットは熱伝導率が低く、熱容量も小さいので、切削する際に刃先に熱がこもりやすいです。このため、熱がたまりやすく、それが原因でクラックや欠けが生じる可能性があります。
簡単に言うと、サーメットは硬く、耐摩耗性が高い反面、衝撃や熱には弱いという特性があります。適切な用途や切削条件での使用が推奨されます。
次回は普通旋盤とスイス型カム式旋盤をご紹介いたします。