完成バイトの研ぎ方等

投稿者 : 謙櫻井 on

「完成バイト」の研磨は主に、両頭グラインダーを使用して行います。この工程では、バイトの粗挽きから仕上げまでを行います。

研磨中、完成バイトは熱くなりますので、熱くて持ちにくくなる前に水に浸けることを注意されます。小さな刃物にブレーカーを入れる作業は大変でしたが、GC砥石のコーナーのエッジ出しを行い、適切な位置と掘り込みを職人技で行いました。熱がこもり火傷の一歩手前までに完成させます。

一度の切り込みで作業を行い、繰り返しブレーカーを入れることはできません(ブレーカー部が2段になってしまうためです)。

面精度や公差が厳しいため、加工中にノーズRや逃げ角度を変えながら作業を行います。測定器にはマイクロメーターがない為、ノギスやコンパスを使用し、アナログな方法で管理します。

旋盤も天井の上に取り付けられた大きなモーターで回します。回転数はベルト掛けプーリーをかけ替えることで調整します。

天井に上がり油さしをする作業は困難であり、作業服は毎回真っ黒になってしまいます。

当時は、本当に臭いや毎回真っ黒になってしまいものかなりきつかったです。



プーリーとはベルトからの動力を伝える部品です。

完成バイトとは熱処理がされている工具です。ハイスとも呼びます。

両頭グラインダーとは、卓上グラインダーやベンチグラインダーとも呼ばれる研削・研磨加工を行う機械です。

次回は親方に基礎や基本のことを教わったことをご紹介していきます。